忙しい人事ご担当者のための3行まとめ
農業分野の深刻な人手不足解消のため、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を「耕種農業」や「畜産農業」の即戦力として受け入れる制度です。
受入れ企業には、日本人と同等以上の適正な報酬支払いや「農業特定技能協議会」への事前加入、労働関係法令等の厳格なコンプライアンスが求められます。
行政書士の実務としては、申請前の協議会加入サポート、社会保険・税務等の適格性書類の確実な収集、雇用契約・支援計画の適正な策定と厳格な届出管理が重要となります。
目的と受入れ見込数
農業分野において深刻化する人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れます。令和6年度からの5年間の1号特定技能外国人の受入れ見込数は7万3,300人です。
業務区分
「耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)」または「畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)」のいずれかの業務に従事します。
雇用形態
農業の特性(季節による作業の繁閑など)を考慮し、農業経営体による「直接雇用」に加え、労働者派遣事業者による「労働者派遣形態」での受入れも認められています。
要件(技能・日本語)
「農業技能測定試験」と「日本語試験」の合格が必要です。ただし、関連する職種・作業の「技能実習2号」を良好に修了した者はこれらの試験が免除されます。
特定技能制度(農業分野)での受入れにあたり、企業の人事・法務部門が対応すべき主な要件と義務をまとめます。
協議会への加入義務
初めて特定技能外国人を受け入れる場合、入管への在留諸申請を行う前に、農林水産省が設置する「農業特定技能協議会」への加入手続きを完了させる義務があります。
雇用経験等の要件
直接雇用の場合、過去5年以内に労働者(技能実習生含む)を少なくとも6か月以上継続して雇用した経験、またはそれに準ずる労務管理経験が求められます。
法令遵守と厳格な届出義務
労働保険・社会保険の加入や各種税金の未納がないこと等、高いコンプライアンスが求められます。また、受入れ・支援状況に関する年1回の「定期届出」や、契約・支援計画の変更、行方不明等のトラブル発生時の「随時届出(事由発生から14日以内)」が義務付けられ、違反には罰則があります。
労働時間等への配慮
農業は労働基準法の労働時間・休日等の規定が適用除外となりますが、外国人労働者が過重労働とならないよう、本人の意向を踏まえつつ適切に労働時間を管理し、休憩・休日を設定する配慮が求められます。
特定技能制度(農業分野)で働く外国人の方が知っておくべき待遇・支援・キャリアパスについて解説します。
適正な待遇の保証
報酬額は、同じ業務に従事する日本人と同等以上でなければならず、外国人であることを理由とした待遇の差別的取り扱いは固く禁じられています。
生活・業務上の支援
受入れ企業(または委託を受けた登録支援機関)から、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応といった手厚い支援(義務的支援)を無償で受けることができます。
通算在留期間とキャリアアップ
特定技能1号での在留は通算5年が上限ですが、産休・育休や労災等の休業期間は一定の条件下で通算期間から除外される特例があります。さらに試験に合格し要件を満たせば、家族帯同や在留期間の更新上限がない「特定技能2号」へのステップアップも可能です。
協議会加入の先行手配
COE申請の必須書類として「農業特定技能協議会の構成員であることの証明書」が必要なため、受任後速やかに企業側へ入会申請フォームからの手続きを案内する必要があります。
適格性書類の確実な収集
新規受入れの場合、国税、法人住民税、社会保険料、労働保険料等の「未納なし証明」の提出が省略できません。設立間もない法人の場合などは、発行できない証明書に対する理由書等、個別の立証準備が必要です。
日本人と同等以上の報酬の立証
「特定技能外国人の報酬に関する説明書」等において、日本人労働者と比較し、外国人であることを理由に不当に低い賃金設定になっていないことを合理的に説明する責任があります。
派遣形態特有の確認事項
派遣で受け入れる場合、派遣元が農業関連事業を行っているか(または資本要件を満たすか)等の厳格な要件があり、派遣先の情報(概要書等)も提出が必要となるため、事前のスキーム確認が極めて重要です。
届出管理のサポート
14日以内の随時届出(雇用契約の変更や終了、登録支援機関との契約変更、受入れ困難時など)を失念すると企業の欠格事由になり得るため、企業の人事担当者に対し、事象発生時の速やかな報告ルールを敷くなどの実務的サポートが求められます。
特定技能制度(農業分野)の受入れに関するご質問、
協議会加入や申請書類の準備など、初回相談は無料です。
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