2026年7月 更新

入管制度ニュース

企業の人事・法務ご担当者様向けに、
新たな外国人材受入れ制度「育成就労制度」の基本を解説します。

企業と外国人をつなぐ架け橋
育成就労制度・連載 第3回

【手続きフロー】申請から就労開始までの具体的なステップ

2026.07.07 読了 約8分
全5回連載の第3回
01

3行要約

忙しい人事ご担当者のための3行まとめ

1

育成就労の受入れには、外国人ごとの「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構の認定を受ける必要があります。認定申請は開始予定日の6か月前から可能で、原則4か月前までに行います。

2

機構の認定後、在留資格認定証明書の交付申請→査証取得→入国という流れで進みます。入国後は「入国後講習」が実施され、この期間中は業務に従事させることが禁止されています。

3

計画の認定から入国後講習の修了まで数か月を要するため、受入れを検討する際は半年以上前からの準備と、監理支援機関との密な連携が不可欠です。

02

手続きフロー(5ステップ)

本連載では、企業が外国人材を受け入れるための「育成就労制度」について解説しています。第3回となる今回は、事前準備を終えた後、実際に外国人を受け入れるための「申請から就労開始まで」の具体的な手続きフローとスケジュール感について解説します。

多くの中小企業が利用する「監理型育成就労」(監理支援機関のサポートを受ける形態)を前提とした、基本的な5つのステップは以下の通りです。

1

「育成就労計画」の作成とポイント

まず初めに、外国人ごとに3年間の育成・就労内容を定めた「育成就労計画」を作成します。監理型の場合、この計画は監理支援機関の指導に基づき作成します。

目標設定が鍵

育成就労制度は人材育成を目的としているため、計画には明確な目標設定が必要です。具体的には、3年間の育成就労期間が終了するまでに、①定められた技能試験(技能検定3級や特定技能1号評価試験など)と、②日本語能力試験(原則としてA2相当以上)の両方に合格することを目標として定めます。

2

機構への認定申請(スケジュールに注意!)

作成した「育成就労計画」は、外国人育成就労機構(機構)へ提出し、認定を受ける必要があります。

申請のタイミング(重要)

認定申請は、育成就労の開始予定日の「6か月前」から可能です。審査等に時間を要するため、原則として「4か月前」までに申請を行わなければなりません。申請期限を過ぎると、予定日に就労を開始できなくなる可能性があるため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。

3

在留資格の申請と入国

機構から育成就労計画の「認定通知書」が交付されたら、次は入国のための手続きです。

監理支援機関が、認定通知書を添付して地方出入国在留管理局へ「在留資格認定証明書」の交付を申請します。

交付された証明書を現地の外国人に送り、現地の日本大使館等で査証(ビザ)を取得した上で、日本に入国します。

4

就労開始前の「入国後講習」に関する重要ルール

外国人が入国した後、すぐに自社の現場で働き始めるわけではありません。まずは監理支援機関等によって「入国後講習」が実施されます。この講習には、企業として絶対に守るべき厳格なルールがあります。

業務従事の禁止

講習は日本語や日本での生活ルール、法的保護などを学ぶ「座学(見学を含む)」で行われます。この期間中は、いかなる事情があっても自社の業務に従事させてはいけません。(疑似的な作業の実践も禁止されています)。

講習への専念措置(手当の支給)

外国人が講習に専念できるよう、期間中の食費や居住費に充てるための「手当の支給」などの措置を企業(または監理支援機関)が講じる必要があります。

5

就労の開始と届出

入国後講習が修了し、いよいよ自社での雇用契約に基づき、現場での育成就労(業務を通じた技能修得)がスタートします。

届出義務:初めて育成就労外国人を受け入れて就労を開始した際は、開始後遅滞なく、機構へ「育成就労実施者届出書」を提出する必要があります。

このように、外国人材の受入れには「計画の認定」から「入国後講習」まで数か月の期間を要します。受入れを検討する際は、半年以上前からの早めの準備と、監理支援機関との密な連携が不可欠です。

03

企業への影響

企業の人事・法務担当者が押さえるべき5つのポイント

1. スケジュール管理の重要性

認定申請は開始予定日の4か月前が期限です。逆算すると、計画作成→監理支援機関との調整→申請まで、半年以上前から動き始める必要があります。採用計画に組み込む際は十分なリードタイムを確保しましょう。

2. 育成就労計画の目標設定

技能試験と日本語能力試験(A2相当以上)の両方に合格することが目標として求められます。3年間の育成期間中に計画的に試験対策を行う体制が必要です。

3. 入国後講習期間中のコスト負担

入国後講習中は業務に従事させられないため、その間の手当支給や生活費負担が発生します。受入れコストの見積もりに講習期間分を含めて計画しましょう。

4. 入国後講習中の業務従事禁止の徹底

講習期間中に業務に従事させることは厳格に禁止されています。疑似的な作業実践も不可です。違反した場合のリスクを社内で共有し、現場への周知を徹底しましょう。

5. 届出義務の確認

初めて育成就労外国人の就労を開始した際は、遅滞なく機構へ届出書を提出する必要があります。届出漏れがないよう、手続きチェックリストに組み込んでおきましょう。

04

外国人本人への影響

在留外国人が知っておくべき3つのポイント

1. 入国後すぐには働けない

日本に入国した後、まず「入国後講習」を受ける必要があります。日本語や生活ルール、法的保護について学ぶ期間であり、この間は企業の業務に従事することはできません。講習期間中は食費・居住費に充てるための手当が支給されます。

2. 3年間で達成すべき目標がある

育成就労計画には、3年間の期間終了までに技能試験(技能検定3級等)と日本語能力試験(A2相当以上)の両方に合格するという目標が設定されます。計画的な学習と試験準備が求められます。

3. 手続きは監理支援機関がサポート

監理型育成就労の場合、育成就労計画の作成から在留資格の申請、入国後講習の実施まで、監理支援機関がサポートします。手続き面で不安がある場合も、監理支援機関に相談できる体制が整えられています。

05

行政書士としての実務ポイント

入管申請の実務で押さえるべき5つのポイント

1. 育成就労計画の作成支援

外国人ごとの3年間の育成計画作成を支援します。技能試験・日本語能力試験の目標設定、業務内容の記載、監理支援機関との調整など、計画認定に向けた書類整備を行います。

2. 認定申請のスケジュール管理

開始予定日の6か月前〜4か月前という申請期間を踏まえ、逆算スケジュールを策定します。計画作成→監理支援機関の指導→申請→認定通知書交付までの工程管理を行います。

3. 在留資格認定証明書の交付申請

機構の認定通知書を添付した在留資格認定証明書の交付申請を、地方出入国在留管理局へ行います。監理支援機関と連携し、申請書類の整備と提出を代行します。

4. 入国後講習に関するコンプライアンス助言

入国後講習期間中の業務従事禁止(疑似作業含む)について、クライアント企業への周知と社内体制整備を支援します。違反リスクの説明と予防策の提案を行います。

5. 届出書類の作成と提出支援

就労開始後の「育成就労実施者届出書」の作成・提出を支援します。届出漏れを防ぐため、就労開始日を起点とした手続きチェックリストを提供します。

※ 本記事は2026年7月時点の公表情報に基づく一般的な解説です。制度施行までに運用・様式・分野別基準等が更新される可能性があるため、実際の受入れや申請にあたっては最新の公表資料をご確認ください。

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